苦痛ゼロで尿一滴で高精度に全身網羅的にがんリスクを検出できる N-NOSE を受診してみた

ブログ更新が滞っている今日この頃ですが、大丈夫です。生きてます。

知らぬ間に歳を重ね、気がつけばアラフィフ。意識せずとも生活スタイルも緩やかに変化し、身体能力の衰えとともに健康への意識が否が応でも高まるってもんです。会社の福利厚生を利用した人間ドックも毎年のように受けるようになり、去年は少々大きめの大腸ポリープを切除しました。幸いにも良性で大事に至らなかったのはラッキーです。

今年も人間ドックを受診と思ってたのですが、会社の手違いもあり毎年夏に受診してきましたが、いまだ受診できず。

まぁこの手の類にはお金をかけても良いじゃろと考え、自費で受けるからには苦痛のない病院がいいなと思いつつも、忙しくてなかなか行動に移せず、いつの間にか 11 月になってしまった。そんなときに毎週欠かさず見ているがっちりマンデーで知った N-NOSE というがん検診。最近は TV-CM も始まり認知度は随分高まってきているんじゃなかろうか。

調べてみたところ税込み 12,500 円と少々お値段は高いものの、奥さんの分とあわせて 2 セット注文してみました。

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尿一滴で86%精度のがん検診 N-NOSE の概要

N-NOSE(エヌノーズ)についていろいろ調べましたが、概要を知るには説明は公式サイトの FAQ が一番わかりやすかったです。
https://lp.n-nose.com/faq/

N-NOSEとはどんな検査でしょうか?どのようにがんの有無を判定するのですか?

N-NOSEは尿中のがんの匂いを生物の嗅覚を用いて検知する技術(検査)です。検査に使用する線虫C.elegansは、がん患者の尿には誘引行動(近寄る)を示し、健常者の尿には忌避行動(離れる)を示します。この特性を利用し...

従来のがん検査とどう違うのですか?

N-NOSEはこれまでの検査とは全く異なり、生物の能力を活かして行う検査です。「安価」「簡便」「高精度」などの利点があり、誰もが手軽に受けられる検査なので、がんの1次スクリーニング検査(がん検診の入り口として検査)として期待されています...

感度はどのぐらいですか?

がん患者を「がん」と判定する確率(感度)は86.3%となっています。健常者を「がんではない」と判定する確率(特異度)は90.8%となっています...

どんながんの種類が分かるのですか?

これまで全国17カ所の大学および病院と行った臨床研究において、線虫は、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん)をはじめ、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、胆嚢がん、胆管がん、腎がん、膀胱がん、卵巣がん、口腔・咽頭がん(15種類のがん)に反応...

また日立財団の「第13回 高尾記念科学技術公開セミナー 尿一滴で線虫が早期がんを嗅ぎ分ける! 開催レポート」で公演で使われた PDF が公開されています。こちらはより深い説明があり参考になります。
https://www.hitachi-zaidan.org/topics/data/topics044_01.pdf

本資料によれば、既存の検査には一次スクリーニング検査が存在しない課題に対するひとつの答えが N-NOSE だということです。

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がっちりマンデーでも同じ絵で放送がされていましたが、がんの匂いに反応して線虫が集まるらしいです。感度の説明を信じるなら検査でリスクありという結果が出たら嫌ですね。

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また資料では他の腫瘍マーカーと比較して圧倒的な感度を示すだけではなく、ステージ 0, 1 においても高感度で反応するのが特徴だということです。

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N-NOSE の問題点を指摘する意見も

おおよそサービス提供側は良い情報を発信するものです。問題点はないものかと思い、そこらも検索しました。「福岡和白PET画像診断クリニック:線虫がんリスク検査陽性の方へ、当クリニックの見解」が参考になりました。一次スクリーニングとなる N-NOSE の結果、二次スクリーニングが必要な場合には PET-CT を選択肢として考えるのが良いが、N-NOSE の結果受診という場合は自費扱いとなり保険が効かず高額なのがハードルとなってきますね。
https://www.fwpet.net/news/4

リスクありと判定されたときの捉え方として、予め心得ておいたほうが良いなと思った部分を抜粋しておきます。

現時点では高リスク臓器が特定できないという点から多くの方を過度に不安な気持ちにさせてしまっているという側面もあります。

N-NOSEのサイトで発表されている検査の感度(86.3%)、特異度(90.8%)、さらにがん有病率を1%と仮定して計算しますと、10人検査を受けるとまずそのうち1人程度が検査陽性となります。そして陽性の人の中で実際にがんがある人は10人に1人以下です。

・・・中略・・・

またN-NOSEの利用規約に記載されている通り、線虫検査陽性ということだけでの受診や検査は健康保険適用外となり、検診と同じようにすべて自由診療(100%自己負担)です。

・・・中略・・・

検査の手間や苦痛、安全性なども考えると高額ではありますが最初にPET-CTするのがいいのかな?と思います。

N-NOSE の講演資料の広範囲ある「精密検査へ」の先が課題と理解しました。保険が効く世界線が来るといいですね。

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N-NOSE の検査キットが届いた

諸々承知した上で検査キットを購入し、先日自宅に届きました。2 名様分で 25,000 円なり。年一回、人間ドックの前に受診しておけば、参考になるんじゃないかな程度で考えていこうかと思ってます。

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尿検査なのでキットの内容は超シンプル。こちらは検体を入れる容器。

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その下には容器を冷蔵保存するための冷蔵パックが収められています。まぁ公式サイトにも書かれているが、確かに原価はめっちゃ安いと思う。

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検体はステーションへの持ち込みと、自宅に集荷にきてもらう 2 パターンが選択できます。集荷はまだまだ地域が限定されてますので、全国どこでも。という状況ではないようです。

集荷は 2,200 円追加の費用がかかってしまうので、出社のついでに東京ステーションへ持ち込むことにしました。予約はマイページからポチるだけです。

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「採尿前の4時間、飲食をお控えいただければ何時でも採尿して頂けます」とのことですが、念のため、前日は健康的な食事と禁酒して、起きてすぐ採尿。

なお冷蔵パックは 24 時間以上冷やしておく必要があるので、数日前から忘れずに冷凍庫にぶちこんでおく必要あり。

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いつもより 30 分ほど早く家を出て、東京都千代田区紀尾井町まで足を運び、無事、東京ステーションに倦怠を提出してきました。

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結果が出るのは 4-6 週間後。悪い結果が出ると次のアクションで悩みまくりそうなので、何もないことを切に願ってますが受診は今回限りとなるでしょう。

というのも、ちょうどこの記事を公開した直後あたりで話題になってるこちらの記事を目にしたからです。すごく納得がいきました。確かに数学的には健常者がリスクありと判定される確率が高すぎますね。

「尿や血液一滴で癌が分かる検査」を闇雲に受けないほうがいい理由|Wellness|note

1万人の40代男性がこの検査を受けることになったとしましょう。この時、実際に癌に罹患している人は1万人×0.1%=10人です。感度85%なので、この10人のうち8-9人は癌が見つかります(1-2人は見逃されます)。また特異度85%なので、9990人の癌がない人のうち9990×15%≒1500人は、実際は癌がないにも関わらず検査で「陽性」と判断されます。
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