ドイツ生まれの歯科医療機器セレックシステムで審美歯科治療を体験してみた

8年ぶりに歯医者に行ったら詰め物(インレー)の下が虫歯だらけだったのは2ヶ月前に記事にしましたが、なんと驚き、まだ治療が続いています。毎週通ってまして、前回で11回目の治療。
まだまだ続きます・・・(●・̆⍛・̆●)

二次カリエス(詰め物の下が虫歯になったりすること)のリスクを最小にするために、最も適合が良いとされているゴールドインレーを右の上下の奥歯に入れました。初めての保険適用外治療でした。

ただ落とし穴がありました。金の熱伝導率の良さを完全に見落としてました。

かなり神経間近まで削ったので経験上2割程度の方は知覚過敏になって抜髄するケースがあると聞かされていたのですが、その時は痛みもなく適合度のことしか頭にありませんでした。金は熱伝導率が非常に高いため、歯髄に熱刺激が過敏に伝達されることで歯髄内が興奮し、充血して歯髄が圧迫されて歯が痛む結果となりました。この知覚過敏については前回書いたとおりで現在を持ってまだ治療中です

そんなわけで、左の奥歯二本の虫歯も深いため、適合がよく熱伝導の低い素材で治療を受けようと心に決め、最終的に選んだのがセラミックです。審美性ではなく、あくまでも知覚過敏対策。背に腹は代えられない思いでの決断です。

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ドイツ生まれの歯科用機器セレックシステムとはなにか?

さて初めて選ぶセラミック素材。特徴は前回書いたとおりで以下のとおりです。
長所:最も自然の歯に近い、変色しない、プラークが付きにくい
短所:歯を削る量が多い、衝撃に脆い、割れることがある、非常に高価

審美歯科の料金表を見てもらえばわかるのですが、セラミックはとにかく値段が高い・・・
そんな中、ここ数年でじわじわと導入が進みつつあるのがセレックシステム。都心でも僅か1%の導入率と聞くこの最新の医療器材が、今通っている神田の大田原歯科にはセレックシステムが導入されていました!

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セレックシステムは、医療先進国ドイツからやってきた、コンピュータ制御によって歯の修復物を設計・製作する CAD/CAM システムです。セレック(CEREC)とは CEramic REConstruction (セラミック修復)の略語です。最先端の3D光学カメラで患部をスキャンし、スキャンデータから CAD/CAM システムによって修復物を設計。後はミリングマシンがデータをもとに規格生産された高品質なセラミックブロックから修復物を削り出します。いわゆる最先端の治療方法の一つです。

Youtubeにセレックシステムの紹介動画がありました。百聞は一見にしかず。

歯科技工所に依頼することなく歯科医院で修復物を作製できるので、一般的な修復物よりも経済的。また規格生産された高品質なセラミックブロックを使用するため耐久性が高く、治療時間も約1時間と非常にスピーディーです。

セレックを選ぶメリットは大きく以下の5点です

1. 短時間
最速で1時間ほどで修復物の製造、セットまで完了。つまり1回の通院で治療は完了。最長でも翌日で治療は完了します。削った箇所が細菌にさらされる時間を最小化することができます。

2. 従来のセラミックよりも高い耐久性
規格生産された高品質のセラミックブロックを使用するため、従来方式のセラミックと比較して耐久性がよい。15年後の残存率を調べた臨床研究によれば、セレック治療は約93%の残存率。

3. 従来のセラミックよりも経済的
セレック治療では修復物を歯科医院に設置されたミリングマシンで作製するため、歯科技工所に依頼しません。人件費+中間マージンがなくなることで安価になります。

4. 高い審美性と非アレルギー性
セラミックの一番の特徴は審美性。自然で美しい修復物が望めます。また金属アレルギーも皆無です。

5. 高い適合度
修復物は高精度に抽出されるため、歯との隙間が非常に少ないのが特徴です。結果二次カリエスになるリスクを抑えることが可能です。

セレックを選ぶデメリットは以下の4点です

1. 導入している歯科医院が少ない
セレックスタイルというサイトで、お近くの導入歯科医院を調べることができます

2. 審美性は従来セラミックのほうが上
規格生産されたブロックから自分の歯と近い色を選ぶため、色がぴったり合うことは少ないでしょう。従来セラミックのように自分の歯に合わせて色もオーダーメードするわけではないので審美性は若干劣ります。

3. 匠の技工士よりは精度が低い
最新の3D光学カメラとCAD/CAMを使い高精度な削りだしが可能ですが、人間の匠の技を超えることができないという意見が一般的のようです。

4. 保険対象外
とはいえ保険対象外なので一般的な治療と比較して高価であることは間違いない。

実際にセレックでの治療を体験してみたら凄くよかった!

さて長くなってまいりましたが結論です。セレックは凄くいい!間違いなくゴールドより上。

まず初めて入れた奥歯のセレック。こちらの歯も神経にかなり近いところまで削りましたが、ある意味様子見の意味も込めてのセレックでした。先生の都合が合わず光学カメラの撮影ではなく従来の型取りからスキャンデータを作成し翌日修復物を入れる2日コースでした。
審美性観点では、正直規格化されたセラミックなので自分の歯と色は明らかに違うし、のっぺりした感じの色(グラデーションがないという意味)なので自然歯とは違うと見て分かる感じです。

が!出来上がった修復物の適合度はかなり良いです。間違いなく今まで入れてきた2本のゴールドよりも段差もなくぴったり収まってる感じです。
かつ歯が全くしみることがありません。同じくらい神経に近い治療をしたゴールドの片方は知覚過敏。もう片方はアイスはしみる感じがあります。それと比較すると雲泥の差です。

セレックによる修復具合が予想より調子がかなり良かったので、もう一本見つかった深い虫歯の修復もセレックを使いました。その時は光学カメラを使って即日治療でした。凄くいい。本当に凄くいい。

結局右の歯は2本ゴールド、左の歯は2本セレックとなりました。次に深い虫歯の治療を受けるときもセレックにしようと思ってます。ですが、あくまでこの感想は僕個人的なものになりますので、治療方法の判断はかかりつけの先生とよく話し合って決めると良いと思います。今回の満足度は概ね以下の2点が大きく関連してるものと思ってます。

1. 通っている歯科医院の先生はセレックをかなり使いこなしている(得意分野のようです)
2. 修復物を作っている技工士は、銀や金の修復物のつけ心地から、おそらく匠の腕ではないと思われるため、セレックの適合度のほうが上と感じる

とまぁ右に入れたゴールドはセレックにしておくべきだったなぁ〜と激しく後悔。もしかすると知覚過敏に悩まなかったかもしれない。
それほどセレックは良かったし、知覚過敏はツライんです・・・ (●・̆⍛・̆●)

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