治療後の歯が猛烈にしみる原因は神経炎症による象牙質知覚過敏だった

一ヶ月ほど前から8年ぶりに歯医者に通い始めてますが、先日治療した歯が猛烈にしみます。

その歯は、神経ギリギリまで削り、二次う触による虫歯予防としてゴールドインレーをいれた歯なのですが、痛みとしては治療前よりも明らかに症状は悪化しています。具体的な症状としては、ちょっとした熱変化で歯が物凄くしみます。冷たいものでしみるだけならまだしも、温かいものでもしみますし、空気を当てるだけでしみます。しみるという表現よりも突き刺すような痛みが走るという方が適切なほどの痛みです。

治療後すぐに夏季休暇に入ってしまいましたが、治療後2週間たっても症状はむしろ悪化する傾向にあり、これは治療が原因で何かがおきてると考え、休暇後の治療の際にまず最初に痛みの原因を調べてもらいました。

結論から言えば中程度の知覚過敏でした。僕の歯茎はもともと後退している部分が多く、歯のほとんどが象牙質が見えてる状態です。神経ギリギリの治療を行ったことで歯髄神経が炎症を起こして過敏になっていることと、研磨したことで治療した歯に象牙質知覚過敏が発症したようです。

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知覚過敏とはなにか?

虫歯じゃないのに歯がしみたり瞬間的な激痛を感じるようになりなる症状のことを言います。
健康な歯の表面はエナメル質で覆われています。エナメル質により熱変化など外側からの刺激が遮断されますが、虫歯や歯茎が下がったりすることで象牙質が露出した状態になると、外からの刺激が歯髄神経に伝わりやすくなります。
象牙質には実は象牙細管と呼ばれる細い管が存在します。象牙質が露出することで細管を通じて歯髄に直接刺激が伝わるようになるため、突き刺すような痛みやしみるといった症状が発生するようになります。

象牙質が露出する原因は様々ですが、概ね次のようなものが原因と言われています。僕の場合は、ブラッシング過多と歯茎後退が当てはまりました。

ブラッシング過多
自らの歯磨き行為でエナメル質を削りとってしまったり歯茎を下げてしまっている場合があります。歯磨きの回数が多すぎる。ブラッシングの力が強すぎる。歯磨き粉の研磨剤が強すぎる。歯ブラシが硬すぎる。などが原因です。

歯周病
歯周病ににより歯茎が退縮して歯茎が下がり象牙質が露出します。歯周病は歯と歯ぐきの境目にたまったプラークが原因で、歯肉炎や歯周炎などの症状が起こります。

歯茎後退
歯周病でなくても、加齢やブラッシング過多が原因で歯茎が上がり、象牙質が露出します。

噛み合わせ
噛み合わせが悪かったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりすることが原因で歯の表面のエナメル質がはがれ、象牙質が露出します。

知覚過敏の治療方法

知覚過敏は、 刺激による疼痛の程度により軽度(軽い痛みを自覚)、中等度(耐えられる痛み)、強度(耐えられない痛み)の三段階に分類されるようです。それぞれの段階で治療方法が異なってきます。僕の場合は治療の効果からすると中程度に当てはまるようです。

治療1.知覚過敏用歯磨き粉の使用
シュミテクトという言葉を一度は聞いたことがある方も多いかと思いますが、各メーカーから発売されている知覚過敏用歯磨き粉には硝酸カリウムが含まれています。硝酸カリウムは口腔内でカリウムイオンとなり、象牙細管を通り歯髄内の神経細胞への興奮の伝達を抑制して鎮静化する効果があります。また象牙細管を封鎖する効果もあるため、神経へ直接刺激が伝わることがなくなり、知覚過敏の症状が緩和されていきます。

歯磨き粉の使用をやめれば再び歯がしみる場合は、歯科医で以降に紹介する治療を受ける必要があります。

治療2.薬の塗布・コーティング材の施術
歯医者で知覚過敏と診断された場合は、フッ化物が配合された薬の塗布を3回ほど施術して効果を見ることが多いです。知覚過敏用歯磨き粉の効果よりも病院の薬の塗布の方が効果は高いとされています。

薬の塗布で症状が緩和されない場合は、歯科材料(レジンや歯科用セメント)で物理的に象牙質をコーティングします。コーティングは徐々に磨り減っていき数ヶ月程度で効果がなくなります。その間に歯の再石灰化が上手く進めば知覚過敏は治ります。

治療3.痛みのある部分へのレーザー照射
まだ一般的な治療ではなく施術している歯科医は少ないのが実態ではありますが、
(1) 歯髄そのものを鎮静させ、痛覚を低下させる方法
(2) 露出した象牙細管の開口部を塞ぐ方法
(3) 象牙質のたんぱく質変性を利用する方法
などがあるようです。ネットでも治ったという情報や逆に酷くなったという情報などが流れていて、個人的にはレーザーは避けておこうと思う派です。歯科医の方々も肯定派と否定派がいらっしゃるようです。

治療4.歯髄神経を抜く
強度の知覚過敏である場合、もしくは他の施術で一向に症状が改善さればい場合は、最終手段として神経を抜くことを選択するしかありません。歯髄神経を抜くことによって、刺激を感じる部分がそもそもなくなるため、しみ、痛みは完全になくなります。一方で、神経を抜くことにより以下の様なマイナス面があります。
・歯の変色(黒ずむ)
・歯が脆くなる(歯に栄養分が行かなくなる)
・歯周疾患(虫歯等)の進行が早くなる
・味覚が落ちる(噛んだ感触がなくなる)


僕の場合、薬の塗布では効果がなく、セメントで薄いコーディングを作ってもらったところ、劇的に症状は改善し、冷たい水がしみる程度まで落ち着きました。ちょっとした風ですら激痛が走る症状からすれば、相当な改善です。ただ完全に症状が治まっているわけではないので、知覚過敏用歯磨き粉を当面使い続けるとともに、次回治療時にコーティングを補強してもらおうと考えてます。

なんにしろ、前回は風でしみるなら神経抜くしか無いね。今回はとりあえずコーティングしておこう。っていう状態で意気消沈してたのですが、そのコーティングがかなり効いてて本当に良かった。
できれば神経は抜きたくない派なので、神経ギリギリでも残す治療を選んだのですが、知覚過敏という症状でこんな痛みが出てくるとは思ってもいませんでした。

いやはや。もう一本あるんだな。虫歯が深い歯が。。。

〜〜約二週間後、症状アップデート〜〜
薬や薄いコーティングでは効果がなくなり、持続的にジンジンする痛みとしみる症状が改善せず、歯を一層削ってレジンでコーティングすることになりました。これでダメなら抜髄する必要がありそうです。
→レジン・コーティングで痛みとしみの80%は改善した感じですが、コーティングできない歯と歯の隙間など残り20%は依然としてしみる感じが続いています。徐々に痛みとしみは弾いてる感はあるので、気長に第二象牙質が形成されるのを待ってます。

〜〜約二ヶ月後、症状アップデート〜〜
前回のレジン・コーティングは頬側のみだったのですが、口内側も猛烈にしみる症状がでました。以前同様に薄いコーティングでは症状は改善せず、歯を一層削ってレジン・コーティングしました。結局、歯をまるっと一周覆う形でコーティングすることになりましたが、これでしみる症状はほぼなくなりました。以前は水道水や冷風で頭に響くような痛みを感じて苦痛でしたが、アイスクリームのような極端に冷たいもの以外はしみなくなりました。
また以前は常時軽い痛みを感じていましたが、今では違和感がある程度まで症状が改善されました。完治には至らないですが、抜髄を覚悟していましたが、なんとか一歩前の処置で治まって本当に良かったです。

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