続:欠かさず歯の定期検診を受けたが 7 年後に再根管治療の真っ最中です(体験談)

欠かさず歯の定期検診を受けたが 7 年後に再根管治療の真っ最中です(体験談)の続編です。この記事では根管治療の二回目以降の体験談を書き綴っていきます。本文は今回もグロい画像が掲載されるので、気にする方は閲覧なさらぬようお願いします。

今日現在、二回目の根管治療を受けていないので、まずは別の話題。初診で撮影した別のレントゲン撮影を用いて別の話題を書いてみます。

8 年前の虫歯根絶治療で、かなりいろいろな歯を治療したのですが、下奥歯の左右でゴールドインレーとセレックを使い分けて実体験をいつか書こうと思ってましたが、いい機会なので書いてみます。

セレックとは知らない方もいるかも知れないので説明を書いておきます。セレックとは英語で CEREC と書き CERAMIC RECONSTRUCTION(セラミック修復)の略で、歯の修復物を設計・製作する CAD/CAM システムです。かつては次世代の機器と言われていたシステムです。当時の歯科医師に価格を聞いたところ 1000 万円以上投資したと言っていました。

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ゴールドとセラミック、どちらが正解だったのか?

当時を思い返すと、セレックの造形物の精度を考慮してなるべく平らになるように、歯は少し広めに削る必要があると言われた記憶があります。一般的なセラミックの造形物より少し品質が落ちるけど、圧倒的に安価で今後を考えるとおすすめの治療方法ですと説明を受けました。確か自費治療で 3.5 万円ほどだったと記憶しています。

歯を削った後に数分程度で歯をスキャンし、即座にデータがセレックに送信されて、機械がキューブ型のセラミックを自動的に削って造形物ができあがるのを待つというものでした。待ち時間は大凡 2 時間程度だったと記憶しています。治療当日にセラミックの被せものが出来上がるので大変満足したのを覚えています。

そして 8 年が経過。今通っている歯科医師からはゴールドじゃなくてセレックの方が正解だったねと説明を受けました。レントゲン画像を見ても、セレックは歯とセラミックが一体化しており隙間がゼロなのに対して、金属の詰め物は造形物と歯の間にどうしても隙間ができるんだよね、見てわかるかな?と説明を受けました。確かに金属の被せものと歯の間には黒い隙間が見て取れます。

ゴールドインレーとセラミックはどちらが正解なのか?を実体験として検証した結果、セラミックが正解だと 8 年後に判明しました。ゴールドは普通の金属と変わらず合着固定なのでミクロンな視点では隙間ができていることを確認できました。

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後で興味があったら、接着と合着について調べてみてと言われたので調べてみました。大きな虫歯の治療が必要となった場合には、被せものはセラミックを選択しようと思っています。

接着による固定

接着材と、接着される素材が化学的に合わさることによってくっつけられる化学的な方法です。セラミックを使用し、レジンセメントを介して接着して歯と詰め物を化学的に結合させ一体化しています。

一体化しているため、隙間から細菌が入りにくくなっています。さらにセメント自体が溶けにくため、年月が経っても虫歯になりにくいのが特徴です。

合着による固定

接着部分に接着剤がはいりこみ、固まり離れなくなる状態になる機械的な装着方法です。無機セメントで、リン酸亜鉛系、アイオノマー系などが使用されています。固まっているという状態であるだけで、歯と一体化しているわけではありません。

歯と修復物の隙間にはミクロのレベルで若干の隙間があるため、セメントの溶けだしが起こり、そこから細菌が入ってくる可能性があります。主に金属で取り扱われるため、時間が経つと隙間からはがれる場合があります。




さて、ここからは、再根管治療の体験談となります。とりあえず完治するまでこの記事の更新を続けます。

2022.7.12 応急処置 2 回目

前の記事で書いたとおり、一回目の根管治療を受けた翌日にはフィステルが巨大化し、翌日には歯茎が決壊して膿が流れ出してきました。今日現在、膿が溜まっては決壊して流れ出すを繰り返しています。

再根管治療 1 回目の前後で違うのは腐敗臭の有無です。今回の膿は今までのような嫌な匂いはせず、サラッとした感じです。歯茎の腫れ方も赤く腫れ上がっていたのが、ニキビのように膿が出たそうにしている腫れ方に変わりました。

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応急処置として、仮の被せものを半分削って内圧が高まらないようにしました。逆の言い方をすると膿がある程度垂れ流しにされるようになりました。フィステルも自分で潰したくならないように膿を出しておいてほしいとお願いをし、表面麻酔をかけてから穴を開けて溜まってる膿を出してもらいました。

「思ったよりも大きいな...」とボソッと呟いたのがとても気になりましたが、「治療の方向性は間違っていないので頑張りましょう」と言われたのを信じて完治まで頑張ります。

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2022.7.22 再根管治療 2 回目

応急処置により膿が排出される出口ができました。徐々に歯茎の腫れは治まる一方で、排出される膿の悪臭が再来しました。また日を追うごとに歯の中で雑菌が繁殖するからでしょうか。匂いがだんだん強まる傾向にあり再びイソジンで口を濯いで消毒することで二回目の再根管治療の日を首を長くして待ち続けました。

なお歯茎の腫れは 3 日ほどすると完全に治まり、一週間ほどで歯茎が引き締まり見た目の状態はすごく良くなってきましたが、根の部分が疼く嫌な感じが続きました。

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待ちに待った再根管治療 2 回目を受けてきました。今回から麻酔なしの治療に変わりました。

再根管治療なのでとうの昔に神経はなくなっており、神経がなければ痛みはないだろうと論理的には理解したのですが、結果、くっそ痛かったです。何度も痛いと伝えたのですが麻酔はしてもらえませんでした。

根管治療は、針のような器具(リーマーやファイル)を使って汚染された部分をガリガリと擦りながら根管を拡大して清掃を行います。既に神経がないためこれは本来痛みを伴わないのですが、根管の長さよりも器具が深く入り込むと、根尖孔の外に針が押し出され痛みを伴います。ピピピピッと音がなってるにもかかわらず奥に押し込まれたときはかなり痛みを伴いました。

また、どうやら歯根膜(歯の根っこと歯槽骨との間に存在する膜のような組織)が、まだ炎症を起こしているらしく、器具でゴシゴシ清掃しているときにも、刺激が骨に伝わり持続的な痛みを感じました。先生曰く、歯茎の締まり方や中の状態は良くなってきているのは明らかだが、清掃で痛みを伴うということはまだ炎症を起こしている証拠であり、痛みが出なくなったときが治療が終わるときでしょうとのことです。

なお治療中はキッチンハイターの匂いが鼻につく感じがしたので、次亜塩素酸ナトリウムという消毒薬を用いた洗浄を行ったと考えられます。

もう膿が溜まって歯茎が腫れる状態は脱したので、無菌状態になる治療に向けて再度仮の詰め物をかぶせました。幸いにも治療翌日も歯茎は引き締まったままなので、徐々に良くなってきている実感はあります。

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2022.8.3 再根管治療 3 回目

2 回目の治療後 2 日程度は根を個沿いで洗浄した部分に軽い痛みを覚えましたが、その後は非常に調子がよく全く痛みを感じることがなくなり、回復の兆しを見ることができました。

そして 3 回目の再根管治療。そろそろラバーダムを使って無菌状態で治療をして欲しいと思っていたので、受付でラバーダムとマイクロスコープを使った治療を行って欲しいと頼んだところ、今回から使っていただいての治療に変わりました。オーダーを出したから使ってくれたのか、元々そろそろ使う予定だったかは測りかねるのですが、個人的にはラバーダムとマイクロスコープを保険治療内で使ってくれる歯科医院だということで、ここに決めた理由もあることなので遠慮なく希望を出してみました。

ラバーダムって何?という方も意外と多いと思うので、フリー素材から流用した画像で説明するとこんな感じのゴムシートです。

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このゴムシートで治療する歯だけを露出させます。口内は様々な菌が充満しています。治療する歯をゴム製のシートで隔離することで、唾液や血液に触れて菌が侵入するリスクを最小限にすることができます。海外ではラバーダムなしの治療はありえないと言われているくらいで日本の歯の治療は非常に遅れていると言われている一例でもあります。

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話を戻して、今回の根管治療も麻酔なしでの洗浄でしたが、相変わらず痛かったです。かなり冷や汗をかきました。前回と同じく 2 日目の今日も若干傷みを感じる瞬間がありますが、調子は非常に良いと感じています。

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先生曰く、二週間後にもう一度洗浄を行い、その次に被せものの型取りに行けるほど順調に進んでいるとのことです。

2022.8.17 再根管治療 4 回目

前回の治療後から再び内圧の高まりを感じる日が多くなり、若干歯茎に小さなおでき(フィステル)が目視できました。洗顔時やひげ剃りのときにも以前のような違和感を感じる様になったので、再び感染してるのを確信しての本日の治療。

毎度痛みを感じることが多かったので、今回は麻酔をしての治療を要望しました。

仮蓋を開けて実際に中を見てもらったところ、根管はかなり綺麗な状態である様子です。今日は麻酔をしていることもあり、いつもよりも深い部分まで入念に清掃をしたが、小さなフィステルに器具を指してみたところ 10mm ほど空洞が存在することが確認できたため、歯槽骨にささっている歯の M 字のくぼみの部分の骨が溶けて感染源あるのではないかと推測しているとのことでした。

歯の内部ではない場所なので、しばらく様子を見つつ切開して汚染された歯槽骨を除去することになる場合を想定して、切らしている充填剤の補充と今後の治療方法を様子を見ながら検討していくとのことでした。

切開して手術するのは二回目なので必要なら早めにやってくださいと伝えて本日の治療は終了。まだまだ長引きそうです。

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2022.8.23 再根管治療 5 回目

たまたま予約が一週間後だったのですが、実に歯茎の状態の変化が激しかった一週間でした。

かなり奥まで攻めた清掃をしたとのことが理由だったのでしょうか、翌日からいつもの幹部が赤く腫れ上がり治療初期段階と同じく歯茎の中の痛みがかなりありました。この時点では歯茎を切開して手術確定だなと覚悟してました。

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これが二日前の状態。痛みの種類が変わり、歯茎の奥ではなく表面あたりの痛みに変わりました。ニキビの痛みと種類が似てるような感じです。歯茎の腫れの状態にも変化があり、膿がニキビのような状態で存在していました。

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ご飯を食べていたら膿が勝手に潰れ、昨日時点で過去イチ状態がよい状況となり、洗顔時や髭剃りのときの違和感も消え、ほぼ完全に治ったんじゃないか?と思うような状態に回復。

その状態で本日の治療となりました。写真を見せながら状況変化を説明。目視する限りかなり状態は良いように見えるとのことです。

歯周ポケットも前回は 10mm ほど針が入っていった状態が、今日時点で 4mm しか入らず状況は改善してるとのこと。一旦今日は根管の清掃をいつも通り行い、次回の様子を見ながら治療方針を考えていきましょうとの結論となりました。

ただ麻酔を打つ際に根管周辺の骨がなくなっているのは感覚でわかるとのこと。歯茎衰退・歯周病と重なっての状況のため完治はかなり難易度が高いとのことです。また切開して歯槽骨を取る治療も二回目になるため劇的な効果は望みにくいとのことですが、充填剤がどこまで効果が出るかなど治療方針を考えてみるとのことでした。

治療を終えた後、他の先生と議論をしている声がうっすら聞こえてきましたが、できるなら完治させたいという希望は伝えているので良い判断をしてくれることかと思っています。一旦は三週間様子見です。

なお写真では出血が見られますが麻酔の針を指した痕です。ちょうどフィステルができる場所で、この奥の歯槽骨がなくなってるようです。

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2022.9.13 再根管治療 6 回目

前回治療からは根の状態、歯茎の状態が非常に落ち着いており、日常生活においての違和感はほぼない状態で過ごすことができました。今日の状態を見て歯茎を切開して中の掃除をするか決めるとのことでしたが、状態を見る限り今は切開の必要はなさそうだとのことで切開手術は一旦は見送りとなりました。

今回は最後の根の清掃ということで、いつもどおり麻酔をした後に入念な根のお掃除をしていただきました。よくよく先生の言葉を聞いていたらお薬で殺菌と言っていたものは MTA セメントだったようです。

MTA セメントとは、歯の成分に含まれるカルシウム(二酸化ビスマス・ケイ酸二カルシウム・ケイ酸三カルシウム・アルミン酸カルシウム・石膏)を主成分とした歯科用セメントで、ph12.0 の強アルカリ性の性質により殺菌効果が非常に高く、虫歯の不活性化をはじめ、神経の保護や根管の内部を埋める根管充填などの処置で使用されるものだとのことです。

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そろそろレントゲンを撮って中の状態を見ていただきたいと申し出ようと思っていたところ、治療前にタイミングぴったりでレントゲン撮影がありました。こちらが治療前の状態。

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こちらが現在の状態。歯茎はしまってきたけど麻酔を打つ時の空洞感はまだ感じるので、骨が充填された状態ではまだないとのことです。どこまで再生するかはまだわからないけど、コントラストが違って比較しづらいかもしれないけど、レントゲン上でも改善の兆しが見られるとのことでした。

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次回治療は状態が維持されていれば、いよいよ根管充填処置に移ることができるとのことでした。

2022.9.27 再根管治療 7 回目

前回治療から約二週間が経ちました。調子が良い状態が続いており、無事充填処置に移ることができました。

充填処置とは専用の詰め物と根管内を無菌状態にするための薬剤などを、根管に材料を詰めることを言います。根管の先端まで隙間が生じないように充填されていない場合は細菌感染が再発する場合が多く、根の先の方に充填材が行き届いていないケースも実際は多いとも聞きます。その場合、根尖病巣(根の先の膿)の原因となることも珍しくないそうです。

そのため、充填後のレントゲン撮影をして確認をするのが通例ですが、今回処置を受けた結果、手前の根管の先端部分の充填が甘いことがわかり次回やり直しをすることとなりました。
レントゲン写真をみる限りガッタパーチャポイントではなく 、歯に対して機械的、化学的に接着することができ封鎖性に優れた MTA セメントで充填していただいたように見えますが、特に充填剤の説明はありませんでした。

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2022.9.30 再根管治療 8 回目

餅を食べてたら借りの詰め物が全部取れてしまったので急遽予約をもらい処置していただきました。

診察の都合で予定より時間が少しとれそうとのことで、次回予定していた再充填と型取りも合わせてやっていただくことができました。麻酔をした感じでは骨はまだまだ再生してきていない感触があり骨が完全に再生するのは最低 1,2 年程はかかりそうだとのことです。それまでの間に根管先のまだ暗い影が見受けられる右の部分が悪くならないとは限らないため、半年ほど仮歯で過ごして様子を見ながら治療を続けましょうとのことになりました。

なお充填したのは MTA ですかと聞いたところ加熱式で埋めるゴム素材との回答をいただきました。加熱軟化したガッタパーチャを主に垂直方向に加圧し、側枝や根尖分岐を含む根管系を充填する「垂直加圧充填法」という充填法のようです。そして最初に根管治療した際の治療方法は「側方加圧充填法」というもので、非加熱のガッタパーチャを用いて側方圧で根管を充填する方法のようです。

どちらも一長一短があるようで、加熱式は根管系の複雑な形態に対応できるが、充填材の到達度のコントロールがやや難しく、熱が歯根膜を傷害する可能性があるとのこと。側方加圧充填法は比較的簡単な術式でありながら、充填物の到達度のコントロールが良好で根尖孔までしっかり充填できる一方で、複雑な形状に対応しづらいとのことです。

顔の向きが若干違うため比較しづらいなと思うのですが、今回は根管の先端まで充填できていることが確認でき安心しました。前回は感じなかった充填後の痛みが今回はそれなりにでておりロキソニンを服用中です。充填後の痛みは先端までしっかり充填された証拠でもあるのですが、数日経てば痛みはおさまると思います。

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...以下、半年ほど再根管治療の体験談が続く予定です。
根管充填も終わったので、そろそろ次のエントリを作って続編執筆をしていきます。

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