最近話題の 360° 全天球カメラ RICOH THETA S を買ってみた!

ひとつ前のエントリで書いた「空間全周囲を再生する 360° VR パノラマという技術について勉強した」で VR パノラマの基本的な仕組みを理解しました。勉強がてら写真道場の「シグマ10〜20ミリでフルパノラマを作る」を参考に、普通のコンデジで一応自分的には脇を閉めて極力均等に撮影したつもりの水平6+天地2カットをステッチング(合成)してみようと試みました。

断言します。普通のレンズでは無理です!

専用の機材を用意し固定した状態で8カットを撮影するか、最低でも画角が 180°近い魚眼レンズを用意して3カットで済ます必要があるでしょう。手軽さを考えると魚眼レンズが良さそうです。画質を考えるとデジタル一眼を用意すべきでしょう。

ちょい待った!!僕らはもっと手軽に撮影したいんですよ!

プロじゃないし、それで飯を食ってるわけでもないので、いちいちステッチングして VR パノラマ画像なんて撮影してる暇はないんですよ!

えっ?専用機材に比べて画質が落ちるって? そんなことはいいんです。手軽にある程度の画質でワンショットで全てが撮影できることが重要なんです。

そこで登場するのが 全天球カメラ RICOH THETA ですよ。VR パノラマ静止画だけじゃなく VR パノラマ動画も撮影できちゃうんです。こりゃ買うっきゃないでしょ。うん。٩(๑´ɜ‵๑)۶

THETA S 届きましたよ旦那!! キタ━━(●⁰∀⁰●)━━!!

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そもそも全天球カメラってなんぞや?

前回説明した空間全方位の 360°VR パノラマ画像を一度のシャッターで撮影することが可能なカメラを全天球カメラと呼びます。

カメラの構造は、RICOH THETA に代表されるような魚眼レンズを1つないしは2つ備えたカメラと、Kickstarter などで見かけるような全視野撮影できるように複数台のカメラを特殊フレーム等で合体させたものがあります。THETA 方式は持ち運びも撮影も手軽なのが良いところです。一方の複数カメラを合体させる構造だと大きいし重いので持ち運びは不便ですが、1つ1つのカメラの性能を上げれば超高解像度の VR パノラマに仕上げることができるのが特徴です。ある意味プロ用途と言えるでしょう。

ちなむに、今年のバルセロナで開かれた MWC でも全天球カメラが各社から発表がありましたが、どれも THETA や SP360 に似た製品で特許的に大丈夫なのか?と思ったほどです。まぁそんなわけで、あと 2, 3 ヶ月もすれば各社からいろいろな製品が出てきて選択肢が広がると思います。

が、現時点では Amazon などで手軽に購入できる全天球カメラといえば、RICHO THETA か、コダック SP360 を買うかの二択(それぞれに廉価版もあるので四択)になるかと思います。

とは言え、完全な全周囲を撮影したいなら THETA 一択です。一方で 214°までの半天球でも良いが 4K という画質を取るなら SP360 です。SP360 の方がよりアクションカメラの性質をもつので、狙うところが若干違うとは思います。

恒例の RICHO THETA S 開封の儀

開封の儀です。箱に入っていたのは THETA S 本体、布製の本体ケース、説明書、USBケーブルの4点です。説明書は全く読まないタイプの人間なのですが、今回は読まないとカメラ本体とスマホの接続方法がわかりませんでした。この辺は後述します。USBケーブルはたくさん持ってるので不要です。ケーブル類が付属しない代わりに価格を少しでも安くしたモデルがあっても良いと思うんです。

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本体は幅44 x 高さ130 x 厚さ 22.9mm の手のひらサイズ、重さは 125g と手に握ると若干ずっしりくる重量感がありますが、常時持ち歩く気になる範囲内です。

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底面に外部インタフェース類がそろっています。Micro USB 端子は充電およびパソコンへのデータ取り込みで使います。HDMI-Micro 端子はライブストリーミングを行う際に使います。Type-D という珍しいタイプの HDMI 端子なので僕は持ってません。どうせケーブルを付けるなら USB ケーブルじゃなくて HDMI ケーブルのほうを付けて欲しかったです。三脚ネジ穴も付いているので THETA の弱点でもある自分が写ってしまうのが嫌な場合は三脚使ってスマホで遠隔から撮影で活躍するでしょう。

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右サイドにはボタンが3つ。一番上が電源ボタン。中央がスマホと接続するための無線ボタン。一番下が動画と静止画の切り替えボタン。とにかくシンプルな設計です。

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VR 静止画の新たな体験は素晴らしすぎる

何と言っても VR パノラマ静止画の撮影が新体験をもたらしてくれます。オキュラスのようなヘッドマウントディスプレイでの VR 体験は酔ってしまうので合わなかったくちですが、THETA のような静止画での VR 体験は結構好きです。
デジカメ撮影もどちらかと言うとマクロレンズよりも広角レンズでその場の雰囲気を撮影する方が好きなタイプなので、空間を撮影できる体験は感激の一言につきます。いつも行く温泉での一枚もいつもと違った感じの写真に仕上がりました。

いつもの温泉までウォーキング。桜も咲いておる - Spherical Image - RICOH THETA

THETA S のアプリで撮影した画像をそのままシェアしてしまうと、顔とかバッチリ写ったままアップされちゃいます。個人情報とかで気にする人とか結構いるかと思いますが、静止画なのでフォトショなどで加工してから PC の PICHO THETA から theta360.com へアップすることもできます。設定がマズイのか PC からアップした時とスマホからアップした時の theta360.com の挙動がちょっとだけ違うようです。例えば PC からアップした VR パノラマは再生時に勝手に回転したりします。

今日はいつもの公園に娘と行ってきた。360°画像は後加工することもできる。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

VR 動画の画質にはガッカリした

カラテのサンプル動画がもの凄く綺麗に撮影されていたので、そりゃもう期待しまくっていたのですが、VR パノラマ動画はちょっと期待はずれな画質で非常に残念でした。
スペック的には THETA S の場合だと FULL HD 画素で MPEG-4 AVC/H.264 でデータ保存ができます。FULL HD って言ったら今の地デジ画質を期待するわけですが、実際撮影してみた動画は下記のような画質となりました。画質的には全然地デジに及ばないどころか、一昔前の HD 画質にも劣る感じに見えます。

そりゃもう撮影して iPhone に転送して映像を確認した時点でテンションだだ落ちってもんですよ。マジで。

自宅に戻って動画データを見てみて、そのからくりを知って納得いきました。THETA の基本的なしくみは、2つの魚眼レンズで撮影したデータを合成して1つのデータに仕立てあげるというものです。従って FULL HD 画質ということは、下の画像のように1つあたりの魚眼レンズは FULL HD の半分ということになります。従って画質的には 960 x 1080 を超えられない計算になります。

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これを動画の規格に照らし合わせてみます。ちょうど HD と SD の中間の画質ということになります。そう考えると納得できました。
そもそも静止画の高解像度な VR 画像を期待していたのが間違いでして、静止画は 5376 x 2688 もの画素数に対して、動画は 1920 x 1080 です。比較するのが悪いですね。

画質画素数
SD720×480
HD1280×720
フルHD1920×1080
4K4096×2160
DVD720×480
Blu-ray1920×1080
地上デジタル放送 1440×1080
BSデジタル放送1920×1080

VR 動画の撮影は現実世界では超難しい

またまた比較対象に使わせて頂くカラテのサンプル動画ですが、何度か撮影してみて気が付きました。こんなアングルで実際撮影するのは不可能です。
このアングルで撮影するには、対象物の中心に自分が存在している必要があります。でも実際は運動会でもスポーツ観戦でも自分はその中心に存在することは不可能で、場外からの撮影になります。そうすると結構期待はずれな VR 動画に仕上がります。個人的には広角レンズでの動画撮影のほうが使い勝手が遥かに良いと感じています。

ちなむに theta360.com でシェアした場合はスマホで閲覧する場合に再生専用アプリが必要となるため、このご時世なので結果的に見えないコンテンツとほぼ同義だと思う。1年ほど前から実は youtube が VR パノラマ動画にも対応したので、そちらでシェアするのがよろしいかと思います。画質がかなり劣化することと、VR 再生可能なのは Android のみであることが残念ではありますが・・・。

THETA S とスマホの接続が WiFi なのが使いづらい

後述すると言ってたマニュアルを読まないとカメラ本体とスマホの接続方法がわからなかった件ですが、THETA は無線ボタンを ON にするとアクセスポイントとして振る舞います。SSID とパスワードは本体底面にシールで貼られたものとなります。スマホは THETA に WiFi で接続することで THETA S や THETA+ Video といったアプリ経由で撮影したデータを抽出したり SNS へアップしたりできるようになります。

で、何が不満かといいますと、何故に Bluetooth による通信にしなかったのかということです。そうすれば宅内では WiFi を使いながら THETA とやり取りができるのすが、WiFi 接続だとモバイル回線経由での通信にならざるをえないので超不便です。

外で使う時も、使うとき以外は THETA の電源はオフにしているので、オンにする度に WiFi 接続に 30 秒ほど時間を要するので、ちょっとイラッとします。Bluetooth でペアリングすればもっと便利に使えるはずです。THETA を使って最も不便だと感じた点なので次の製品で改善されると嬉しかったりします。

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ちなむに、THETA 本体の IP アドレスが 192.168.1.1 で、接続したスマホは DHCP で 192.168.1.5 が払い出されるようで、同時接続は1台となります。

とまぁこの記事を書き始めたら思いのほか長くなってしまったので、この辺で締めくくることとします。
最後にもう一度繰り返しておくけど、動画に不満はあるものの VR 静止画があまりに素晴らしいので、ここ最近はお出かけする際にはいつも鞄の中に忍ばせています。

THETA S おすすめです!(≧∇≦)b

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