2013年6月の上海Android事情や通信事情について(前編)

お仕事の業務内容がここ1年間でガラリと変わり Android を中心としたスマートデバイス中心になったこともあり、Mobile Asia Expo 2013 を視察することとなりました。元々は出展を考えていたのですが諸々間に合わず視察となりました。お仕事内容とは関係しない範囲で Mobile Asia Expo 2013、上海のAndroid事情、通信事情についてレポートしていきます。

まず出張準備。海外だからこそネット接続手段の確保が最優先事項といえるでしょう。
おおまかに2つの手段がありまして、現地で苦労したくないもしくはSIMフリー端末を持ってない人の場合ですが、日本の空港で海外 WiFi 通信機器をレンタルする手段があります。
僕はSIMフリー端末は使うことはないだろうと自宅においてきてしまったので、WiFiルータをレンタルすることにしました。会社の人からテレコムスクエアという会社からレンタルするのが安いと聞いたので、成田空港第二ターミナルの地下1階でレンタルしました。上海だと700円/日です。ルータ単体だと4時間しか充電が持たないようなので、バッテリーもレンタルしました。こちらは210円/日でした。

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ちなみにキャリアは中国联通(China Unicom)で3G回線でした。非常に役立ちました。

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SIMフリー端末を持っている人は、空港もしくは現地のSIMショップでプリペイド式のSIMを購入する手段が取れます。GPS による現在地取得も WiFi ルータ経由よりも正確に取得できるため Google Map で威力を発揮します。意外に便利なのが電話番号と SMS も手に入ることです。街のショップなら卡号と書いてある看板が MOBILE SIM を売ってるお店です。
違和感がありますが電話番号によってSIMの価格が異なり、縁起の良い数字の番号は高い法則があります。概ね一ヶ月間で300MBまでのプランだと60元〜200元程度で手に入るようです。データ通信は別途チャージも可能です。電話回線SIMを購入した場合は一定時間の無料通話分が含まれているようですが、まぁよく理解できていません。

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SIMの価格については、Chaina Unicom の3G通信パッケージプランのページとかが参考になります。日本よりも複雑な価格体系になっています。

パッケージ月額料金(元) 46 66 96 126 156 186 226 286 386 586 886
パッケージに含まれるもの 国内の音声通話分 50 50 240 320 420 510 700 900 1250 1950 3000
データ通信 150MB 300MB 300MB 400MB 500MB 650MB 750MB 950MB 1.3GB 2GB 3GB
国内のSMSの数 0 240 0
無料の着信コール (ビデオ電話を含む)国内
購読料を超えて他の操作 国内の音声通話(元/分) 0.25元/分 0.20元/分 0.15元/分
国内輸送 0.0003元/ KB
国内のテレビ電話 0.60元/分

通信周りの話が濃くなってきましたが、SIMは日本と同じで二種類のプランが存在していて、3G電話回線SIM(通話・SMS・データ通信を含むプラン)と3Gネット回線SIM(データ通信専用)が存在するようです。加えて日本と同じくキャリアが異なれば通信方式が異なる感じになっています。中国の大手キャリアは3つで通信方式は下記表の通りです。端末が対応する通信方式のキャリアを選択しましょう。ちなみに香港SIMフリーはChina Unicomを選んでおけば大丈夫です。

キャリア通信方式
中国移動(China Mobile)TDCDMA
中国联通(China Unicom)WCDMA
中国通信(China Telecom)CDMA2000


さて、やっと本題。僕が見聞きした範囲での上海の Android や通信事情についてお話します。

予想外でしたが、上海では地下鉄運行中も普通に回線がつながります。1年前に行った韓国と同じ驚きをここでも味わいました。地下でもつながる環境整備では、日本は完全に遅れを取っている印象です。でも通信品質は想像より酷かった。思った以上に3Gで繋がらず2Gになってしまう場所が多く、回線速度が遅くていらいらします。加えて通信規制がとても厳しいです。

まずブラウザ経由でのGoogleへのアクセスは確実に規制されていてとても遅い。一応Googleサービスはほぼ全部使えました。でも頻繁にアクセスが遮断されます。一方でにApdroidやiPhoneのアプリ経由のアクセスは比較的スムーズである印象でしたが謎が残ります。
繋がらないサービスは多数ありまして、twitterもダメだし、fc2ブログもダメだし、.jpドメインも遅い。Google、はてブ、Livedoor Readerで情報を集めることが非常に苦痛でした。逆に.cnドメインのサイトは非常に快適な速度で閲覧が可能でした。これが噂の金盾(グレート・ファイアウォール)と呼ばれるフィルタリング機能により、中国国内のインターネット利用者に対して、都合の悪い情報にアクセスできないよう制御されており、まさに身をもって体感しました。

利用端末についても予想を裏切られました。想像より遥かに iPhone や iPad の利用者が多いです。電車の中でも怪しげな中華端末は殆ど見かけません。逆に高級端末として知られる、SAMSUNG、Lenovo、HTC、Xperia あたりをよく見かけます。特にSAMSUNGの利用者はダントツに多く、Galaxyシリーズ以外の様々な端末を見かけました。ちなみに平均月収が5000元らしいのですが、高級志向のグローバルメーカー端末は4000元以上(=7万円以上)の価格帯で、かなり頑張らないと買えないようです。

一方の中国端末は高級端末と同スペックで概ね6割程度の価格帯に設定されている印象がありました。例を挙げるなら、Galaxy S4が5000元であるのに対してOPPO Find5が3000元程度で販売されていました。中華端末も高スペック端末は十分世界で戦えるクオリティに仕上がっていると感じます。正直日本のどの端末より魅力的でした。
ざっと見た感じですと中華端末系の価格帯はこんな感じでした。

スペック価格対応する通信方式
4coreでFull HD端末3000元程度4G対応、3GとのDual SIM対応
4coreでHD端末2000〜2500元3G対応、2GとのDual SIM対応
2coreでHD端末1000〜1500元3G対応、2GとのDual SIM対応
2coreの格安端末〜1000元1000元に近いと3G対応、500元以下は概ね2G対応

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ちなみに端末メーカーは日本より遙かに混沌としていて、1000元程度の端末を作るメーカーが生まれては消えるを繰り返しているそうです。個人的にはOPPOとvivoと小米がいいなと思いました。ロゴマークと中文と日本語読みを記載しておきましたので、ご参考にどうぞ。

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グローバルモデルを販売するメーカー (※普及価格〜高級志向)

  • 三星:サムスン
  • HTC:HTC
  • 摩托罗拉:モトローラ
  • 苹果:アップル
  • 索尼:ソニー
  • 联想:レノボ
  • 诺基亚:ノキア

中華端末を販売するメーカー (※低価格〜高級志向まで)

  • OPPO:オッポ
  • 酷派:クールパッド
  • 小米:シャオミー
  • 华为:ハーウェイ
  • 中兴:ZTE
  • 步步高:vivo(ヴィヴォ)
  • 魅族:MEIZU(メイズー)
  • 天语:K-touch(ケータッチ)

そして人気の売れ筋端末についての情報。なかなか情報を仕入れるのが難しかったのですが、上海Androidの会の人たちに教えていただきました。中国の楽天的地位に位置するECサイト taobao を見るのがよいとのことです。リアルタイムで今の売れ筋が把握できます。今回、ここの情報が端末購入において、非常に役に立ちました。メーカーでフィルタリングしたりと、機能も充実していて良くできたサービスだと思います。上海からのアクセスは非常に快適にサイトが表示され、自国サービスを仕えというメッセージだなと感じました。それにしてもアップルとサムスンは強い。

淘宝数码市场

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長くなってきたので次へ続きます。

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